日本は木造建築が多い?工法や住宅としての性能を解説
公開:2024.07.26 更新:2024.07.26日本の一戸建て住宅の約9割が木造で、高温多湿な気候に適しています。木造は断熱性や調湿作用に優れ、伝統的な木造軸組工法やツーバイフォー工法が主流です。現代の木造住宅は耐火性や耐震性が向上し、省令準耐火構造や新耐震基準を満たすことで安全性が高まっています。施工会社の選択肢も多く、個別のニーズに応じた住宅建築が可能です。
目次
日本の注文住宅は木造が主流である理由とは?
日本の一戸建て住宅の約9割が木造で、高温多湿な気候に適しています。木造技術は神社仏閣で発展し、今も主流です。施工会社も多く、選びやすいです。
◇日本の一戸建て住宅の9割程度を占める
日本では約9割の一戸建て住宅が木造です。日本の高温多湿な気候に適しており、木造住宅は断熱性と調湿作用に優れています。石造りでは蒸し暑さや結露が問題になりますが、木造はこれを改善できます。
さらに、神社仏閣の建築により木造技術が発展し、住宅でも広く採用されています。明治維新以降の西洋建築技術や戦後の鉄筋コンクリートも普及しましたが、日本の気候や地震に強く、コストパフォーマンスが良いため、木造住宅が現在も主流です。
◇伝統的な技法で取り扱っている施工会社が多い
木造住宅は施工会社の選択肢が豊富です。工務店やハウスメーカーなど、各社の特色やコンセプトが異なるため、自分のイメージや予算に合った施工会社を見つけやすいです。
木造住宅の基本的な工法は2種類
木造軸組工法はコンクリート基礎に柱と梁でフレームを作り、設計の自由度が高いです。耐震性や耐久性も良好でリフォームがしやすいです。一方、ツーバイフォー工法は面で支え、短期間で組み立て可能です。
◇ 昔から用いられている木造軸組工法
木造軸組工法は、コンクリート基礎に柱を立て、梁を組み合わせてフレーム状の骨組みを作り、その上に壁や屋根を取り付ける工法です。
この伝統的な方法は、日本の約50%の戸建て住宅に採用されており、設計の自由度が高く、さまざまな土地の大きさや形状に対応可能です。
現在は「筋交い」を入れて補強し、「耐力壁」を適切に配置することで、高い耐震性と耐久性を実現しています。
また、各部材の接合部は金物で固定され、その種類や質によって耐震性が変わります。柱で支えるため、間仕切り壁の撤去が容易で、リフォームがしやすいのも特徴です。
◇ 「面」で家を支える枠組工法
木造壁式工法(ツーバイフォー)は、2インチ×4インチの木材で作ったパネルで「壁」を作り、それを組み立てるアメリカから伝わった工法です。
接合部には釘と接着剤を使用し、角材やパネルのサイズがあらかじめ決まっているため、専門技術がなくても短期間で組み立てることができます。
木造軸組工法が「線」で建物を支えているのに対し、枠組壁工法は「面」で支えている点に違いがあります。
木造の住宅性能とは?耐火性や耐震性を確認
木造住宅は現代の技術で耐火性が向上しています。石膏ボードや太い木材の使用により、火災時に強度を保ち、避難時間を確保します。耐震性も新耐震基準を満たし、高い性能を持ちます。
◇工法次第で耐火性に違いがある
木造住宅は火事が起きた際にすぐに火が燃え広がるというイメージがあるかもしれませんが、実際には耐火性があります。これは、現代の木造住宅では石膏ボードなどの燃えない素材を使用して、耐火性を向上させているためです。
さらに、構造材として使用される太い木材は、表面が炭化することで内部が燃え尽きるのを防ぎます。鉄は高温で強度が急激に低下するのに対し、木材は比較的長時間強度を保つため、火災時に避難するための時間を稼ぐことができます。
また、最近では耐火性を持つ木質部材の開発が進み、高層の耐火木造建築も実現しています。
◇耐震基準を満たすことで高い耐震性が得られる
木造住宅が高い耐震性を持つ理由の一つは、新耐震基準を満たしていることです。日本では建築基準法により、震度6強から7程度の地震に対しても倒壊や崩壊しないための基準が設けられています。
耐震性を確認するポイントは、1981年に改定された新耐震基準や、2000年にさらに改定された2000年基準を満たしているかどうかです。これらの基準を満たす木造住宅は、高い耐震性能を誇ります。
耐火性と耐震性の向上で進化する木造住宅
省令準耐火構造は、高い耐火性能を持ち、火災時の延焼を遅らせる設計です。ファイヤーストップで火の進行を抑え、木造軸組工法では筋交いと合板で耐震性能を強化します。
◇省令準耐火構造とは
省令準耐火構造とは、独立行政法人住宅金融支援機構が定めた基準を満たし、建築基準法の準耐火構造と同等の耐火性能を持つ住宅のことです。この構造では、隣家からの火が燃え移りにくく、家の中で火災が発生しても一定時間その部屋から火が外に出ないように設計されています。
また、部屋から火が出ても家全体への延焼を遅らせることができます。そのため、省令準耐火構造の木造住宅は一般の木造住宅よりも耐火性能が高く、火災保険料の割引が適用されます。
◇ファイヤーストップにより高い耐火性を確保
省令準耐火構造にするためには、ファイヤーストップを設けることが必要です。ファイヤーストップとは、火災が発生した際に火の進行を遅らせたり、特定の区域内に封じ込めたりするための建築技術や材料です。具体的には、防火材や防火構造を使用して火災の拡大を防ぎます。
◇耐震性能を高める工法
日本の住宅では、木造軸組工法が主流です。この工法は縦方向の力には強いものの、地震の横揺れや台風の横風には弱いという特徴があります。そのため、新築時には筋交いを使った耐力壁の設置が義務付けられています。筋交いは柱の間に斜めに入れる部材で、横からの力に抵抗し、建物の倒壊を防ぎます。
また、構造用合板や厚合合板を使用することで、耐震性能をさらに高める工法が採用されています。
日本の一戸建て住宅の約9割が木造で、高温多湿な気候に適しています。木造は断熱性と調湿作用に優れ、神社仏閣で発展した技術が今も活用されています。
伝統的な木造軸組工法や、短期間で組み立てられるツーバイフォー工法が主流です。
現代の木造住宅は耐火性と耐震性が向上しており、省令準耐火構造やファイヤーストップ技術により火災時のリスクが低減されています。
また、新耐震基準を満たすことで、高い耐震性も確保されています。施工会社の選択肢も多く、個別のニーズに応じた木造住宅の建築が可能です。
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